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アマンド・プードルの風味とコク

フィナンシェに欠かせないレシピのひとつにアーモンド・プードルがあります。何故か英語読みとフランス語読みが混在するので、そのまま聞くとあたかもプードルの犬種のように聞こえますが、フランス語では「amande poudre」=アマンド・プードルと記し、アーモンドパウダーのことを指します。アマンド・ショコラは普通にフランス語読みで使われているのに、なんだか不思議な呼称ですね。

このアマンド・プードル、市販されているものは生のアーモンドの皮をきれいに剥いてから細かく粉状にするので、比較的白い色目に仕上がっているのが一般的ですが、フードプロセッサーを使って、少し粗目に挽くと見場は色濃くなりますが、その分、風味と香りが高まるので、まずはその違いを食べ比べるのも面白いかもしれません。

日本でアーモンド・プードルの原産と言えば、アメリカはカルフォルニア州産のノンパレル種、イタリアはシチリア産のパルマギルジェンティ種やピッツータ種、そしてスペインはマラガ~タラゴナ産のマルコナ種などが人気です。

その特長は、カリフォルニア産は脂質や風味が比較的あっさりしていて、バターの風味を効かせたい時にちょうどよく、シチリア産は香り高いとはいえ脂質やコクが少ない分、生地をしっかりさせることができます。”アーモンドの女王”とも呼ばれるスぺイン産のマルコナ種は世界的にも稀少で、香りは甘く、脂質も高く、コクと深みのある気品高い味わいとなります。

アマンド・プードルはグルテンを含む小麦粉と比べて粘り気が少なく、油分や脂質を多く含んでいるため、フィナンシェの生地に入れ込むと、湿気を吸収する特性があるので、しっとりなめらかでいてサクッと仕上がるのが特長です。香りや風味ばかりか、コクや味わい深さが高級感をも醸し、フィナンシェにとっては、なくてはならない存在です。