バトン型フィナンシェといえば昨今では珍しくありませんが、なぜこのバトン型が誕生したのかを考察してみました。そもそもバトン型で有名な焼き菓子と言えば、「バトン・マレショー」が第一に思い浮かびます。
正式には「バトン・ド・マレショー」、それは「元帥の杖」という意味を持つフランスの伝統的な焼き菓子のひとつです。フランスで元帥といえば、国家が特別な戦功を立てた将校に与える栄誉ある名誉称号で、その際、七星の臂章(ひしょう)と共に星をちりばめた青いビロード張りの元帥杖を授与されるのです。
それに見立てた焼き菓子が「バトン・マレショー」です。アーモンドパウダーがたっぷり入った卵白(メレンゲ)を生地に、星を模ったアーモンドダイスを散りばめ焼き上げたクッキーなのですが、これもフィナンシェを想起させるレシピで、ここからフィナンシェにアレンジされても何ら不思議ではなく、バトンフィナンシェがあちこちで展開されていったことは、ごく自然な流れかもしれませんね。
そんなこんなで、京都にある「クレーム デ ラ クレーム」でも7年前から「バトン・フィナンシェ」が販売され、その形が可愛らしく、食べやすいことから人気商品となっています。