「フィナンシェとマドレーヌって何が違うの?」この疑問はHP上でも多い疑問です。そうなれば、もちろんこの倶楽部でも記しておく必要があります。フィナンシェの金塊型に対して、マドレーヌの形状は貝殻型の型を使って焼き上げます。由来は諸説ありますが、どれもが「マドレーヌ」という名に起因しているようです。
マドレーヌの由来)
1)スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼のため、シンボル化されたホタテの貝殻を モチーフにして、マドレーヌと言う女性が焼いてたという説
2)1755年、フランスはロレーヌ地方を治めていたポーランドの王、スタニスラス・レ̪シチニスキー(ルイ15世の義父)が小さな村コメルシーで宴を開いた時、シェフとパティシエが言い争った挙句、二人とも厨房を投げ出すという事態となり、代役の手伝い娘マドレーヌ・ポロミエがホタテの貝殻を使ってお菓子を振る舞い、このお菓子をスタ二スラス公がたいそう気に入ったという説
3)その昔、同じくコメルシーにはマグダラのマリアを祀る修道院があり、このマグダラのマリアのことをフランス語で「マリーマドレーヌ」と呼んでいた。修道院たちは、この名を付けたケーキを売っては教会の運営費としていたが、フランス革命時、修道院を追われた修道女たちが、自分たちのレシピをコメルシーの菓子職人に売ることとなり、以後このケーキがマドレーヌとして大衆化したという説。
4)1661年、ポール・ドゥ・グロンディの料理人マドレーヌ・シモナンが作ったという説。
前にも述べていますが、フィナンシェはお金持ちや金融家という意味でも使われる言葉で、由来の通り金の延べ棒(金塊)を模していることが特徴。生地が固めでしっかりとしているので、金融街で服を汚さずにポケットに忍ばすこともでき、スナック感覚で食べられるように作られたという説があります。
材料の違い)
マドレーヌ、フィナンシェ共に原料は、小麦粉・砂糖・バター・卵の4つの材料が基本で、マドレーヌはアーモンドプードルを使わない場合も多々あります。また、マドレーヌは全卵・溶かしバターを使うのがポピュラーですが、フィナンシェは卵白と焦がしバターが本来の作り方となっています。この材料の違いが、マドレーヌの生地のふわっとした柔らかさと風味を醸し、フィナンシェの方はバターの香りを印象的に放ち、輪郭のある味わいを出しています。