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「フィナンシェ」の語源を紐解くヒストリア~おさらい編#2

1890年に刊行されたピエール・ラカン著の「フランス菓子覚書」にも記されていますが、「フィナンシェ」の謂れを要約するとこんな物語になります。19世紀に入ると、パリのサン・ドニ通りの証券取引所の近くに、菓子職人のラヌが小さなお店を開きます。そしてその証券取引所に出入りする食いしん坊の連中のために、背広を汚さず片手で手軽に食べられるようにとラヌが考案した焼き菓子こそが、フィナンシェの語源となるのです。小さな台形の金型で黄金色に焼き上げられたお菓子は、あたかも金塊のように見目好く映ることから、験担ぎも込められたのでしょう。金融筋からこのお菓子は、フランス語で「金融家」「お金持ち」の意を持つ “フィナンシェ” と呼ばれるようになります。金融筋にとどまらず、このお菓子は、瞬く間に界隈の人々の耳目を集め、フィナンシェは世にその名を馳せるのです。