最近、デパ地下やサービスエリア、駅構内の売店やテナントなどで気になるのが、フィナンシェとほぼ同じ原材料なのに、ちょっとした材料の加え方や形状が違うことで、フィナンシェとは語らないフィナンシェライクな焼き菓子たちです。

たとえば静岡出身「治一郎」のカップケーキ大のアーモンドケーキや、今回紹介する「Butters」のバターミルクケーキたちがその仲間です。どちらも原材料には、液卵白、砂糖、バター、アーモンドパウダ―、小麦粉とお約束の原材料が入っていますが、変化球的要素がこっそり忍ばせられ、どれもフィナンシェ形状を無視した作りになっています。

「株式会社HioLl（ヒオリ）」のクラフトバタースイーツ「Butters」のバターミルクケーキには、あえてコンデンスミルクと、牧草だけを食べて育った牛の乳から作られたバター、グラスフェッドバター（ニュージーランド産）を一緒に焦がし、フィナンシェ生地に混ぜ合わせて焼き上げており、ミルクの旨味とバターをたくさん詰めて、コク重視の味わいに仕上げています。

「Butters」は、お菓子づくりに欠かせない、バターを作る上で生まれる無脂肪乳や、生クリームを撹拌する過程で発生する液体分「バターミルク」などの副産物をも大切に使用し、次の世代に適合したサステブルな社会を目指すのだとか。